ハリーポッター 第5巻(原書)
HARRY POTTER and the Order of the Phoenix (UK)
J.K.ROWLING
ファンタジー小説やSF小説(実は両者を区別するのはあまり意味がないと思うのだが)の大ファンとしては、やはりハリーポッターシリーズははずせない。最初の巻の日本版が出た時探し回って購入した私なのだが、はっきり言ってこんなに大ブームになるとは予想できなかった。何でもそうかも知れないが、ブームになってしまったが故に、逆に話がしづらくなってしまうことがある。最初の頃はファンタジーファンとして「ハリー~という本があってね…」と、自分のお勧めどころを混ぜながら紹介するということができたのだが、最近では「ああ、あれね」という感じで誰もが名前くらいは知っているのだが、映画をみていばまだ良い方で、多くは映画のテレビCMを見た、大騒ぎの報道をワイドショーで見た程度の知識しかないので、あの子供映画ね、あの子供向けの絵本ね、くらいの認識しかないようなのである。いい年した大人が大まじめに話すようなことではないという声には出されない常識があるように感じて、実はとても居心地が悪い思いをしているのである。
(もっとも普段からSFだの、ファンタジーだのの話はあまりしないようにしているけど。)
ということで前置き長くなりましたが、本題。
9月1日発売予定の第5巻「ハリーポッターと不死鳥の騎士団」の原書(UK版)。
読み終わるのに約2週間。正月休みだったので1日中読んでいた日もある。
(そんなに難しい文章ではないが、専門用語(魔法界の)が多く辞書だけでは厳しかったのでガイドブックは購入した。)
すっかり思春期を迎えたハリー。叔父の家にはあいかわらず居場所はなく、いとこのダドリーは近所でも札付きの不良になってしまっている。夏休みの終わりを待ち望んでいたある夜、衝突寸前の2人はなんと魔法界の生き物であるディメンターに襲われる。ダドリーを助けようとまたも魔法を使ってしまったハリー、そして次々明らかになる意外な真実……。
素直に前向きに生きる少年ヒーロー、ハリーはこの巻では悩めるティーンエイジャーに成長している。
心の支えだったはずの両親や、校長先生、そして親友たちまで彼の疑心暗鬼のもとなのである。もう何もかも信じられないという心の悩みを抱えて、なおかつ新たな困難とひとり戦わなくてはならないのである。
この巻の展開は、今までと全然違って、なんだか暗くて好きじゃないと言う人も多いだろうと思うのだが、私は、ハリーという少年の成長を描く上でこういう展開は必要なものだと思う。
何故なら、彼はそれとは知らず
「選ばれたただ一人の人間」=”The One" なのである。
そう、マトリックスのネオと同じ。例えばドラクエの勇者と同じ。
悩み、苦しみながら自分自身と自己の使命に目覚めていく過程は必ず必要なのである。
これは、そういう人間の成長を描いた大河小説だと私は思っている。
ローリングの文章も素晴らしいものである。まず、伏線の張り方が絶妙。(スティーヴンキングも絶賛している。)そして、ディテイルの描き方が素晴らしい。私は小説の面白さの多くはディテイルにあると思っている。その点だけを捕らえても、ハリーシリーズは単に児童向け読み物の枠には納まらない、十分大人の鑑賞に堪えうる傑作である。
![]() | アダルトエディション:こっちの表紙の方が素敵 |
![]() |
日本版9月1日発売予定 |
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やぁ、四日かかりました。 しかも「ゴブレット」読み終わらぬうちに同時進行で読み始 [続きを読む]
受信: 2004/07/29 18:56
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コメント
こんにちは。
トラックバックありがとうございます♪
こちらからも送らせていただきました(私のところにはロクなこと書いてありませんが・・・)
たしかにSFとかファンタジーっていい大人が「おもしろかったよ!」とは言いがたい雰囲気です。
魔法の世界を題材にした文学はまだまだ日本で普及していないので、もっと出回ってくれるといいですね。
投稿 未埜 | 2004/07/29 19:11
こんにちは。コメントありがとうございます。
未埜さんはこの厚い本を4日で読破されたとか。私にすればそっちの方が魔法みたいです。
面白い本があったら教えてくださいね。
☆ファンタジー=子供向け、と決め付けて、そこで思考停止しちゃうんでしょうね。
大人には大人の読み方があるって知ってもらいたいですね。
投稿 じょえる | 2004/07/29 19:46