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2004/08/31

ケインとアベル:ジェフリー・アーチャー

ちょっとした空き時間を読書でもして過ごそう、という時には向かない本。読み始めたら、最後まで止まらない。たとえそれが2度目でも3度目でも。仕方なく出勤しても、気になって気になって仕事にならない。それぐらいの吸引力のある小説だ。あのジェフリー・アーチャーの代表作なのだから、当然といえば当然なのだが、それでもこの面白さの凝縮されたストーリーには、圧倒されるばかりだ。

20世紀初頭、全く同じ日に2人の赤ん坊が誕生する。1人はポーランドの森の中で文字通り「産み落とさ」れ、もう1人はボストンの裕福な家庭に銀のスプーンをくわえて生まれてくる。全く接点がないかに見えるこの2人、ケインとアベルはそれぞれに数奇な運命を経て、アメリカで出会うことになる。
アベルが侵略にさらされるポーランドから逃れ、アメリカにたどり着くまでの物語は圧巻で、ここまでで映画1本作れそうな程である。ケインの人生もまた、波瀾に満ちたものでこの2人の愛憎を軸に20世紀のアメリカが描かれていく。

アメリカンドリームを体現するアベルの物語も、自らの機知と才能によって、危機を乗り越え、父の銀行を継ぐことになるケインの物語も、どちらも良く出来たストーリーだ。この2つがからみ合い、また新たなストーリーに繋がっていく。憎みあう2人の連帯感のようなものも感じられ、ラスト近くに二人が出会うシーンは印象的である。

本の好みは十人十色なので、自分が面白くてもあまり人には勧めないのだけれど、これだけは人に勧めたいと思っている。「人に勧めたい小説」ランキングがあったら、私の第一位は間違いなくこれ、「ケインとアベル」だと思っている。
永井淳 (訳) <新潮文庫>

【2005/3/22 追記】
ケインとアベル TV東京にて放送 のエントリをアップしました。

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コメント

私もこの話が大好きで一気に読んでしまいました。
本来ならよき友人となりえたはずの二人ですよね。
最初は聖書に出てくるカインとアベルの話かと思いました。
続編も、勿論読みました。

友人がTVドラマ化されていることを教えてくれたのでレンタルショップで店員さんに探してもらい(古いのでなかなか見つかりませんでした)これもみました。
本を読んだ時は分かりにくかったのですがヴワデクがポーランド訛りでしゃべっていました。

ヴワデクがロシアからトルコそしてアメリカに行くところははらはらドキドキしっぱなしでした。

投稿: しゅみりん | 2004/10/14 21:55

こんにちは。
私も昔ドラマ見ました。けど、昔すぎて忘れました(笑)。
レンタル屋さんにあるのですね。借りてみようかな。

現実には女性大統領はまだまだ登場しそうにないですよね。

投稿: じょえる | 2004/10/18 13:36

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» ケインとアベル [元気の出る@社労士事務所!]
「ケインとアベル」と言う映画を思い出した。 ・・・言うまでもない英国大文豪のジェフリーアーチャーの代表作。 1985年公開の2部構成となっている大河小説(映画)である。 この作品にはひとかたならぬ思い入れがある。 ボクが20年前ホテルマンになろうと思ったきっかけだったからだ。 とにかく主演のホテルマン・アベルがとってもカッコイイのだ。 ウエイターでありながら、お客様の情報を徹底的に調べ上げ、さりげなく会話やサービスの中で使っているのだ。 「サービスと成功の本質とは情報戦なのだ!」ということを実... [続きを読む]

受信: 2005/12/10 13:03

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