死の王:タニス・リー
『闇の公子』に続く平らな地球シリーズの第2弾。
前作「闇の公子」はオムニバス形式をとっていたが、この作品は長い長い長い物語。
繁栄するメルの国の女王ナラセンが受ける呪いをプロローグとして、国を守るため死者との子を身ごもるところから始まり、その子の放浪と苦難を中心に耽美な世界がディープにディープに展開される。
すべてを支配するようで、どこか所在なさげな死の王ウールム。人間を苦しめずにはおけない闇の公子アズュラーン。幼くして不死の運命を負ったジレム。人魚のお姫さまや、半分は神の子の少女。
多彩な登場人物がおりなす、妖しく、美しく、悲しい物語。
ストーリーの行方よりも、この文章にひたっていること、そのこと自体が幸せに感じられるタニス・リーの真骨頂。
読み終わる頃には、この耽美世界に酔うというより、泥酔状態になっていること請合いです。
1980年 英国幻想文学大賞受賞作品。
<ハヤカワ文庫>
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