ハリーポッターと不死鳥の騎士団
3日間で読了。以前に原書を読んでいるので、ストーリーは解っているのだが、やはり日本語で読むと展開がスピーディに感じ、のめり込み度も高まる。多分に英語力のせいもあるのだろうけど、原書の方が圧倒的に暗い感じというか、重圧感のある雰囲気の小説だったのだが、日本語版はもう少し軽く仕上がっている気がする。(原書版の感想はこちら。)
「戦いの前夜」と位置づけられるであろうこの作品には、やはり「ハリーの青春」とサブタイトルをつけたい。周囲の大人の思惑を、客観的に理解することができず、誰も自分をわかってくれないと悩む。自分の考えこそが正しいと思い込み、苛立ち、焦り、衝突を引き起こす。初キスや初デートも体験する。そして女の子の心理がわからずとまどったり。同い年でも女の子のハーマイオニーはずっと大人っぽい。(ロンは子供っぽい)
将来を決める大事な試験も迫っている。
(このOWL試験の制度だが、本当のイギリスの学校の職業選択もこういう感じなのだろうか。日本のように進学か就職かって感じじゃなく、「何になりたいか」「じゃ、この科目のこのレベルが必要」と具体的。15歳くらいでかなり具体的な職業をイメージしなくてはいけない。勉強もきつそうだし。フリーターばっかり増える日本にはこういうのもいいんじゃないかと思う)。
冷静な判断ができないハリーは、ダンブルドアの指示も素直に聞くことができず、結果として友人たちを危機に巻き込み、大事な人を失ってしまう。そして味わう自責の念と、喪失感。「スーパーマンではないヒーロー」としての、ハリーの成長が描かれていく。この苦い思いこそが彼を大人に近づけていくのだろう。
そして自分の避けられない運命を知るハリー。額の傷の意味と重みを知るハリー。
「選ばれたただ一人の人間」としての責任を自分の運命として受け入れて、彼は青年へと成長していく。
正直、次の巻が楽しみでたまらない。この試練の時期を乗り越え、家族のような仲間や友人を得て、今度こそハリー本当の活躍が始まることだろう。
<J・K・ローリング/静山社>
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コメント
はじめまして。
日本語版、原書版のハリポタ5巻の記事を見て
トラックバックさせていただきました。
5巻、おもしろかったですよね。
いや、単純に「おもしろい」という言葉を使っていいのか
戸惑うくらい重いストーリーでしたが……
でもその重さも、ハリーの成長を描くためには
必要だったというじょえるさんの意見には納得です。
まさしく大河小説ですよね。
6、7巻ではどうなるのか想像もつきませんが本当に楽しみです。
投稿: どんぐり | 2004/10/01 23:03