世界をだました男:フランク アバネイル
フランク アバネイル, スタン レディング (著)
映画「Catch Me If You Can」の原作。
20世紀最大の詐欺師といわれた男の自伝である。
16歳から天才詐欺師として活躍(?)し、21歳までになんと250万ドルを稼ぎ出したという。16歳で教師になりすますところからはじまり、パイロットになってスチュワーデスを引き連れてみたり、弁護士として法廷に立ったり。ついには医者として当直までやってしまうという大胆さ。
機転の利いた会話であっさりと相手を信用させる。その陰では職業になりきるために、必死で勉強したりする。小切手偽造も工夫と訓練を重ねて、まるで熟練職人のようになってしまう。ある意味「努力の人」なのである。そして、小切手の決済のウラ側を調べ尽くした手口はやはり天才的としか表現できないものである。(まだコンピュータが普及する前のことではあるけれど。)
鮮やかな騙しの手口は、まるで小説というよりも漫画のようにさえ思える。
ついに捕まってしまい刑務所に入るのだが、国によって待遇に天と地ほどの差があるのもまた面白い。
更正後はFBIの偽造小切手犯罪を取り締まる仕事をしているというのだから、アメリカという国もまたスゴいなと思うのである。
<新潮文庫>
映画「Catch Me If You Can」
レオナルド・ディカプリオ主演。追いかける刑事役にトム・ハンクス。
素敵な笑顔で人を騙すディカプリオが、はまり役である。オープニングのタイトルロールのアニメもお洒落でカッコいい。
映画では主人公の「家族の愛を求める少年」の部分が強く出ている。クリスマスのたびに刑事に電話をかける淋しい少年詐欺師。穴倉のようなフランスの刑務所から救い出してくれるのは、その刑事なのだった。爽やかな感動のある作品になっている。好きな映画だ。
<スティーブン・スピルバーグ監督>
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