電車男
2ちゃんねるのスレがついに書籍になってしまった。
「今世紀最高の感動的恋愛物語」、「小説を超えた新しい恋愛文学」などと絶賛されている。
私の場合は半年ほど前に、夫がメールで「これ面白いから読みなさい」と知らせてきた。(まとめサイトだったと思う。)で、期待して読み始めたのだが、途中で読むことができなくなった。たいがいの場合、彼が教えてくれる情報は私にとっても面白いのだが、これだけはダメだった。(念の為付け加えると、2ちゃん独特の雰囲気についていけないという訳ではない。)
名無しさんたちの、「爆撃」に備えての右往左往の大騒ぎが面白かったけど。
この人たちはほんといい人たちだねと思ったけど。
(いい人じゃない名無しさんのレスは、削除されているのかもしれないが。)
だけど、私にはわからなかったのです。このストーリーのどこでそんなに感動するのかが。
読まずにほったらかしているうちに、夫のblogはまるで「電車男ポータル」のような様相を呈してきた。
ついにはこんなことまで書かれる始末
だから読みなさいよあんたも>うちの妻それでも読めなかったんだよね。なんかもう恋愛物には興味が持てなくなったのかと思って、ちょっとへこんだりもして。
で、本が届いていたのでやっと昨夜、全部読んだ。
ストーリーはまるで「マイフェアレディ」の男性版のようだ。(ロンドンの下町田舎娘がアキバ系ヲタクになっている。)
「マイフェアレディ」は大好きだが、でもこちらのストーリーには入りこめない。大きくひっかかる点があってそれが気になってしょうがないのだ。
知り合ったきっかけはともかくとして(電車内で酔っ払いから助けた)、その時に好きになった訳ではないらしい。なのに、電話番号がわかったとたんに、デートに誘え、とみんなが騒ぎはじめる。「女性と知り合う→電話番号を知る→デートに誘う→あわよくば付き合う。」というフローチャートがあるようだ。なら、その女性は誰でも良かったのか、と意地悪な気持ちが湧いてきて仕方がない訳で。それを純愛と言われてもなぁ。これが例えば、「あの時の女性が忘れられない、どうしたらいいだろうと悩んでいた」とかなら、素直に「頑張れ」という気持ちにもなるのかもしれないのだけど。
もうひとつは「助けてもらったお礼にエルメスのペアカップを送りつけてくる」という女性の神経がどうしても理解できない。お礼状のひとつも添えていないし。かなり自己満足的というか、傲慢な感じを受けた。(仕事柄安く手に入る、と後で言ってたようだけど、だとしたら余計に失礼なのでは。)
だから、カップのお礼の電話をするあたりから先は読む気がなくなってしまった。
要するに私はこの女性に好感を持つことができなかった。だから、この人と付き合うことを究極の目標とするこのMISSIONに共感することができなかったのだと思う。
最後まで読んでも、この気持ちは変わらなかった。どうしてもエルメス子さんが、リアルな女性とは思えなかったし。別に作り話だとは言わないけど、なんとなく、どことなく、嘘っぽいのが気になる。特に言動がまるでセリフみたいで。(「いとおしい」なんて、普通は言わないだろう。どこかの方言なのか?)
自分が贈ったカップを持参して来い、っていうのもなんだか変だなぁ。それも2回も。
エルメス子さんはある男性の「理想の女性」なのだ、と思うのが一番近い気がするのだけど。違うのかなあ。
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コメント
「
(「いとおしい」なんて、普通は言わないだろう。どこかの方言なのか?)
」
http://qrl.jp/?137264
1 かわいく、大事に思うさま。いとしい。かわいらしい。
「年をとってからの子なのでよけいに―・い」
言うみたいですよ。
投稿: さいもん | 2004/10/27 19:18
いや、意味や用法は知ってますって。
若い女性が口語で使うのは不自然と思ったってことです。
投稿: じょえる | 2004/10/27 19:27
すみません。私の脳内まだ電車男でいっぱいなので。
ふと気がついて改めて拝見していて、とても容認ならない事実誤認をされていますので指摘します。エルメスさんの名誉毀損にあたるかもしれない内容です。
> お礼状のひとつも添えていないし。
について。「女性の神経がどうしても理解できない」と大変厳しい批判をされており、その大きな理由の一つとしているので我慢がなりません。
p.14 書き込みNo.623を御熟読ください。
> 今さっき、宅急便で若い方の女性からお礼の品と手紙が届きました。
> 品はテーィカップでした。手紙の内容はお礼でした。
> 「あの時、隣に座っていた者です」とあったので確定しますた。
お礼の品と「手紙」とあります。
「手紙の内容はお礼でした」とあります。
すなわち、お礼状は厳然と存在しております。
> 可愛らしい封筒&便箋&字ですよ!(;゚∀゚)=3ムッハー!!!
とまであります。
このときのエルメスさんの対応は読む限り極めて誠実だと思います。エルメスを贈ったのは自分の危機を救ってくれた(場合によっては傷が残ることもありえる状況ですよ?)ことに対する精一杯の感謝の気持ちと、自らでは気がつかない仄かな思いの混ざり合いと考えれば、私は(あまりに少ない経験上ですが)納得できますし、真摯さに心打たれます。(ちなみに小生さいもんさんとはほぼ同年齢のようです)
要は、さいもんさんに言われてしぶしぶ読みはじめたが、真面目に読む気がしなくて、斜め読みしてしまい、論点に関わるところを読み飛ばしてしまった。結果、事実誤認の論述に至った。
違いますか?
鬱病人間のたわごと、捨て置けばいい、と思われたらどうぞお捨て置きください。医療費の公的扶助を受けているレベルであることは事実ですから。最近ようやく、そうした目にあうのにも慣れてきましたし、そうした現実を受容しなければならないことも受容できるようになったところです。そう思わないのであれば論述内容の再考をお願いします。
投稿: The Depressionist | 2005/01/09 11:48
新記事は何本もアップしているのに、ここの指摘に関することはスルーですか。
たいしたお人です。
指摘内容は明らかでもリアル狂人からの指摘受けるに及ばず。そう考えておられると解釈しました。
投稿: The Depressionist | 2005/01/13 22:47