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2004/11/10

ランゴリアーズ:スティーヴン・キング

ランゴリアーズ
時間。それは過去から未来へと永遠に流れ続ける。昨日の世界を我々は見ることはできない。昨日どころか、一瞬前の世界も人間は2度と見ることはできないのである。では、過去に置き去りにされた世界はいったいどうなってしまうのだろうか。無人のままひっそりと眠り続けているのだろうか。
これは、そんな疑問を持ったキングが彼らしい答えを導き出して、書き上げた小説のように思える。

ロサンジェルス空港を飛び立った夜行便の中で、乗客のほとんどが消え失せてしまう。ただいなくなっただけではなく、彼らは身に付けていた金属だけを時計から心臓ペースメーカーにいたるまでそのまま座席に残していた。人々はどこに消えたのか、飛行機は無事に着陸することができるのか。残った8名の乗客の謎解きとサバイバルが始まった…。

登場人物の背景と、それぞれの過去が詳細に描かれている。いかにもキングらしい細かさだ。中でも父親の影響から逃れることのできない男がだんだんと壊れていく様子、彼がストレスを感じると手近な紙を細かく細かく裂き続ける等の描写が、真に迫って秀逸である。それぞれの過去を抱えた人間達が異常な状況の中で、団結し、愛し、憎み合う。キングの手馴れた群像劇が展開される。安心して彼の生み出す恐怖を楽しめる作品である。
もう一編の収録作品である「秘密の窓、秘密の庭」(感想はこちらに)よりも私はこちらの方が好み。
<文春文庫>

以前にミニTVシリーズが制作されて、日本でも放映された。当然だが、この細かい心理描写はやはり映像では描き切れていない。それになんだか無理やりなラストシーンに持っていってしまったのが惜しいところではあった。それでも、なかなか良い出来だったのではないか。

ビデオが出ているが、アマゾンでは在庫切れのようだ。(11/10日現在)
ランゴリアーズ/監督トム・ホランド

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スティーブン・キング氏の作品にちょっと触れてみようと思います。 キング氏紹介サイト: ここから こちらもどうぞ。 スティーブンキング氏を知ったのは、映画「スタンドバイミー」でした。少年の微妙な心理・成長を描いた映画。クリス役の「リバー・フェニックス」が印象的でした。リバーについてはいつかお喋りしたいと思います。 その後、キング氏はホラー作家と知り、図書館でキング氏の本を借りたり、ビデオを観たりいました。ここでは私の好きな作品を、私の個人的な感想を交えて紹介します。 *************... [続きを読む]

受信: 2006/05/01 12:17

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