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2004/12/20

お召し:小松左京

10代から20代にかけて、小松左京に嵌っていた。
印象に残っている本を最近また読みたくなったのだが、手元には全く昔の本がなく、あの話なんだっけなあ、とタイトルを思い出すところからはじめている。短編が多いので、収録本を探すのも大変だ。今回は電子書店パピレスに「お召し」があったので、携帯で読めるバージョンを購入した。いやあ、面白い、本当に面白い。

「長官」の元に報告に訪れた「タカヤマ調査官」が持ち込んだのは、3000年前の古代遺跡から発見された、古代人の日記だった。それにはある日突然世界中から12歳以上の人間が消えてしまったという衝撃の事実が記されていた。

残されたものたちの中の最年長者は小学校6年生。年少者の世話をしながら、大人たちのいない世界で、彼らのサバイバルがはじまった。だが、彼らの中からも満12歳の誕生日と同時に消えるものが出始める。
荒唐無稽な伝説である、と信じようとしない長官。だが、彼ら現代の大人たちの心に巣くう満たされない思いの正体はいったい何なのか...。

話中話として小学生の手記が使われているため、ジュブナイルのような読みやすさもあり、印象に残っていたのだと思う。しかし、

もっとこの世の向こうに未来があるはずだという、根拠のない憧憬‥ ・・ また、成年男女が相互に抱く性愛感情の中に潜む、暗黒の虚脱感、
のくだりなど、今読むと思わずにやりとしてしまう。
プロローグも、エンディングも真の職人芸の仕上がり。短編SFの傑作だと思う。

☆今手に入る本では物体O ハルキ文庫に収録されているようです。

buttai0


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