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2004/12/08

ハル


(ハル)
森田芳光監督
深津絵里、内野聖陽共演作品


ドッグイヤーだかマウスイヤーだか知らないけれど、コンピューターやネットを巡る時間はどれだけの速さで流れていくのだろう。この映画に出てくるパソコン通信は、たった10年前のことなのに、今や世の中から消えてしまった。インターネットの時代になって確かにより便利にはなったけれど、ネットの世界の有り様そのものはすっかり変わってしまった。たった10年で、「パソコン通信を懐かしむ者」は誰も聞きたがらない昔語りを繰り返す老人のように思われているのではないか。あと10年たったら、われわれは化石になるのか、なんて余計な心配までしてしまう位の変わりようだ。

これはそのパソコン通信を中心に据えた映画。当時はまだ一部の人の趣味と思われていたのだが。私は封切り時に映画館に見に行ったのだが、1995年の作品だというから、本当にそろそろ10年経つ訳だ。

主人公の男女が、それぞれの人生を悩み、苦しみながら、それでも誠実に生きる様子を淡々と描いている。彼らを繋ぐのはパソコン通信のチャットやメールだけ。ディスプレイの文字が字幕のように、映像にかぶっていく。時に語られる内容と、映されている彼らの行動のちぐはぐさが、その間にある感情を鮮やかに映し出す。少しずつ、少しずつお互いを知り合う二人。感情のすれ違い。来ないメールを待つ不安感。細やかな感情が、無機質に思われる文字の中にあぶり出されてくる不思議さ。
自分自身もパソコン通信にはまっていたせいもあり、すごく感動した映画だ。映像の美しさも特筆に価する。そして、ラストの素晴らしさは忘れられない。インターネットしか知らない人にもぜひ見てもらいたいと思う映画だ。

(そういえば、この映画から内野聖陽が大好きになったんだった。)

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» 「(ハル)」 [『空と二人とちゅら玉と』]
いつも映画の紹介はしてるけど、内容についてはあまり語っていないですね〜。 この映画大好きです。もうかなり前に見たのでまた見てみたいと思います。 セリフは少なく、... [続きを読む]

受信: 2005/02/20 23:06

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