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2005/02/17

多元宇宙SOS:キース・ローマー

tagen-sos多元宇宙SOS

無数の平行世界を統治するゼロゼロ世界の中心「帝国」に住むブライオン・ベイヤードは、ある夜帝国情報局に緊急に呼び出される。訳のわからぬままに尋問に答えたブライオンだが、その後彼は火のように燃える人影を発見し、その後を追っていったが、意識を失ってしまう。目覚めてみると、建物も街も無人と化していた。そして街を侵略するゴリラのような群れ…。ブライオンの時空を駆ける決死の大活躍が始まる。

多元宇宙の帝国」(感想はこちら)の続編。
ハヤカワ文庫ではなぜかこちらが先に出版されたため、最初に読んだ時には、正直解かりにくい部分もあった。最大の謎は、主人公ブライオン・ベイヤードがなぜ生まれ故郷のこの世界ではなくて、「ゼロゼロ世界」に住んでいるかということだった。
今回書かれた順番通りに再読して、その謎も解けたし、周囲の人物像にも深みが増した。例えば「妻のバーブロ」は今作ではさらりと触れられるだけだが、前作で彼女は重要な役割を果たしているのだ。その後ふたりは結婚して幸せに暮らしているんだなあ、というのが語られなくても読者には分かるようになっている。2作を続けて読むと、作者がいろいろと粋な仕掛けをしていることに気づくのだ。
またバーブロに対する愛情、彼女が住む世界への愛情が彼を決死の大冒険に駆り立てるのだな、というところもよくわかるようになった。そういう意味では、なかなかロマンティックな作品でもある。

いろいろな次元の世界が登場するが、「ゴリラ人種」によって島流しにされてしまう牧歌的な世界が、なかなか良い感じ。美しい魔女がいたりして。この魔女もこの作品の後で幸せになっているのかも、と思わせる余韻がある作品である。

<ハヤカワ文庫> 矢野徹 訳

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