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2005/02/24

星の秘宝を求めて:キース・ローマー

hosinohihou星の秘宝を求めて

ドタバタSFを書かせたら天下一品のキース・ローマーも一度は本格的スペースオペラを書きたかったんだろうなあ、というのがわかる作品。(ここで言う「本格的」というのはドタバタでもコメディでもないという意味。)

宇宙船で勤務中の海軍士官タールトンは、自分でも訳がわからぬまま、反逆者の汚名を着せられ、星から星へと逃亡の旅を余儀なくされる。レジスタンスの助けを借りて一度は絶対絶命の危機から逃れるが、遂には流刑の星で重労働を課せられてしまう。果たして彼は、この状況から脱出できるのか、彼が知らぬ間に掴んでしまった極秘事項とは何なのか…。

というようなあらすじで、サスペンスタッチでそれなりに読ませるのだが、ドタバタがないと本人も書きづらいのか、ストーリーが後半で力尽きてしまうような感じだ。

この作品を含め、多くのローマー作品に出てくるのが、「思っただけで物事を変えられる力」で、理論は作品ごとにいろいろと付けられているのだけど、コメディタッチの場合はその「無理矢理感」も笑える爽快感に変わるのだが、大まじめにそれをやるのはかなり難しかったのかもしれない。

おまけに主人公のタールトンが、死ぬほど酷い目に合わされているのに、復讐などは思いもよらず、レジスタンス運動にも加わらず、頑なに軍に忠誠を尽くしているのだが、その頑迷さが度を越しているように感じられ、きっと何か理由があるのはずだと思って読み進んでも答えは何もない。正しい軍人として描かれているのか、それとも単に頑固な性格という設定なのか、あるいはその両方なのか。主人公に感情移入しづらいのが、この作品の大きな弱点になってしまった。ちょっと残念。

<ハヤカワ文庫> (絶版)

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