アーサー王伝説と赤毛のアン
映画キング・アーサーを見ようと思い、ついでに今まで気になっていたアーサー王ものを2本借りた。
1本は「キャメロット」

1967年というから、かれこれ40年(!)前に作られた作品。ブロードウエイの舞台だったものを映画化したようだ。素晴らしくお金のかかった豪華絢爛な正統派ミュージカル。
ただ歌に時間をとられるため、ストーリーは間延びしてしまった感が否めない。戦乱を終わらせて、平和な世の中を作ろうとするアーサー王(リチャード・ハリス)が、妻(ヴァネッサ・レッドグレイヴ)と親友(フランコ・ネロ)との三角関係によって、せっかく得た平和を失ってしまうというだけのストーリーなのだが、なんと218分。映画そのものも、映画のテンポも古典的。(要するに長い。)
もう1本は「エクスカリバー」

戦乱の時代。和解したばかりの敵国の王妃にひと目惚れしたウーサー王は、魔術師マーリンの力を借りてその欲望を満たす。だがその条件は生まれてくる子供をマーリンに引き渡すことだった。
やがて赤ん坊は成長し、伝説の剣を岩から引き抜いてしまうという、「アーサー王伝説」の割と忠実な映画化。歴史物というよりは、魔術的な雰囲気が前面に出ている作品。ただ、アーサー役の俳優(ナイジェル・テリー)があまり好みじゃなかったな。剣や鎧が美しい。
で、キング・アーサー

「アーサー王伝説」には実はこんな元ネタがあったんだ、という設定でかなりな新解釈版になっている。
なにしろアーサーはローマ軍の指揮官で、円卓の騎士たちは現地部族から人質同様に連れてこられた少年だったのだ。ランスロットなど15年もの「年期奉公」なのである。
グイネビアに至っては、ケルト人のゲリラの娘で、顔にペイントして戦っちゃうのである。
壮絶な戦いを経て、ついにブリテン島に自由と独立をもたらすという物語。なかなかの感動大作に仕上がっている。3本のうちでは私にはこれがダントツに面白かった。こんなに皆で苦労をしてくれば、最後に「王様、バンザイ!」と叫ぶ気持ちにもなるはずだ。良き指導者の物語でもある。
ところで、英米の小説には、アーサー王伝説が「当然知っているべき知識」として使われていることが多い。私が一番最初に出会ったその手の小説はあの「赤毛のアン」である。
アンが「エレーン」という姫になったつもりで、小舟で川を下って行く、という場面である。あの場面で友人達は「アーサー王とギネビアと騎士ランスロット」になって「キャメロット」で舟の到着を待つのである。
私はまだ小学生で訳がわからなかったが、なんだかロマンチックなお話だと思って気になっていた。
それ以来、アーサー王伝説的なにおいのする作品は、なんとなく気になってしまうのである。
《おまけ》
ファンが高じて赤毛のアンを自ら完訳してしまった松本侑子さんが、ホームページで詳細な解説をして下さっている。(赤毛のアンに隠された英米文学)
エレーンについてはこちら。
このページを見ていると、アンへの愛情が松本さんにここまでの緻密な仕事をさせたのだ、ということに感動してしまう。同じ本を読んで、同じことに感動してもその後の情熱と行動力が私などとは全然違うのでした。

赤毛のアンに隠されたシェークスピアもお勧め。

赤毛のアン松本侑子 訳
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