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2005/05/08

時の彼方の王冠:ダイアナ・ウィン・ジョーンズ


時の彼方の王冠

『デイルマーク王国史』の完結編。
前3巻は、それぞれ主役も舞台も、さらには時代も異なる一話完結の物語で、通して読んでも物語の繋がりが見えて来ない、なかなか欲求不満が募る構造になっていた。それを最後の一巻で、どうまとめるのかと期待していたら、またもや違った主人公で違う時代のお話が始まっていた。

しかし、主人公の少女の不思議な旅について読んでいくと、なんと今までの登場人物が意外な場所で登場してくる。それも、以前のストーリーで持っていたその人物に対する印象を変えるような形での登場なのである。

今までのいろいろなお話が大小さまざまな複線となって、絡まっていく見事さに感嘆した。

何よりも「デイルマーク王国」という架空の国の地理、風土、歴史、宗教、慣習、そして神話までを精密に作りあげた作者の力量に驚愕する。細かい用語集までついており、それを読むと本編で語られなかったサイドストーリまでもが解るようになっているのだ。(ある意味「スターウォーズ」にも近いけれど。)

前3巻までは、まあ面白い部類のファンタジーかな、と思っていたのだが、完結編読了後は、実はこの作品はものすごいスケールで描かれた傑作なんじゃないか、と思い直した。

ストーリーそのものよりも、「緻密な作家って、こういうことができるんだなあ。すごい。」という感動が一番大きかった作品である。

前作の感想はこちら。

詩人(うたびと)たちの旅
聖なる島々へ
(3作目 「呪文の織り手」については記事を書いていません。)

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コメント

はじめまして♪
最近、このシリーズを読みました。
すごく作りこんであって、面白かったです。

とくにこの「デイルマーク王国史4」は
圧巻でした。

ハリポタとか参考になる記事が多かったので
blogRankingもポチしました。
こちらのブログすばらしいですね~

投稿: ユキノ | 2006/01/05 23:23

ユキノさん、こんにちは。
コメント&TBありがとうございます。
何冊かDWJを読みましたけど、これが一番気に入ってます。
もう一度最初から読み直したくなる本ですよね。
またいらしてくださいね~!!

投稿: じょえる | 2006/01/07 00:24

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