タイム・マシン大騒動:キース・ローマー
【あらすじ】祖父の遺産として、世界中のあらゆる事象に関するデータを記録し続けている巨大コンピューターを相続したチェスター。そんなものよりも現金が必要な彼は、コンピューターに本物そっくりの歴史的映像を再現させて、観光客相手にひと儲けをたくらむが、友人とともに「本物の歴史映像」の中に放りだされてしまう。コンピューターは実は「タイムマシン」だったのだ。果たして、彼は大事な友人を救い出し、現在へ戻ることができるのだろうか。
私にとっての「幻の本」を手にいれました。(楽天フリマにて)
『前生再生機』への愛情からキース・ローマーの記憶を辿りはじめた私ですが、手に入る本を出来る限り集めるというマニアの域に入りつつあるのかもしれません。
多作な人ですから、いくつか「あれ?」って感じのもありましたけど(今までのエントリの分は全部面白いです!)、この『タイムマシン大騒動』は面白かったですね。まずいつも通り「うすっぺら」な主人公。口は達者なので、自分の無能を突かれると絶妙な言い訳と反撃に出ます。この小憎たらしい言い訳が私は結構好きなのです。
そして今作品では、そんなダメ男ぶりを見込まれた主人公は未来世界で特訓を受けて、知恵と力と勇気を持ったヒーローへと成長して行くのです。「自分の意志で困難を乗り越える」ということをかなり強引なストーリー展開の中で、一貫して語っているのがローマーの小説の魅力なのだと思います。
余談ですが、ハヤカワ・ポケット・ミステリのこの本の定価が270円であることにびっくり。
この前買ったポケミスは2000円近かったような。物価上昇だけでは割り切れないくらいの上がり方だと思うのですが、どうなのでしょう。これも本が売れなくなった、ってことの証拠のひとつなのでしょうか。
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