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2005/12/28

ガンスリンガー:スティーヴン・キング

4102193391ダーク・タワー1 ガンスリンガー
たったひとりで荒野を旅するガンマンの物語。
その風景はマカロニ・ウエスタン映画に登場する、さびれた西部の町を思い出させるが、でもどこかが違っている。例えば、調子はずれのピアノが奏でる古い古い曲は「ヘイ・ジュード」なのである。
何ゆえか、故郷の国の唯ひとりの生き残りとなったガンスリンガー(拳銃使い)ローランドは、変転する世界の謎の手がかりを求めて、黒衣の男を追い続けている。
その目的のためには非情となる決意をした彼だが、黒衣の男の策略によりある残酷な決断を迫られるのだった。

一度は終末を迎えてしまった世界の、そのもっと未来の時代なのだろう。
カラカラに乾いた砂漠の風景が、すべてが荒れ果ててしまった世界を見事に体感させてくれるようだ。主人公ローランドに感情移入するのは、この巻では難しいことなのだが、どの人物も謎に包まれたままの登場で、長い長い物語のプロローグとして、申し分のない作品と言えるだろう。

このシリーズは角川版で第4巻まで出版されていたものを、今回新潮文庫から新訳で全巻刊行となった。
ファンは第5巻を心待ちにしていた訳で、肩透かしを喰らったとも言えるが、今回キング自らの筆が加わって、壮大な物語がより完成度の高いものとなってファンの前に現れたのは、大変嬉しいことである。
翻訳者も変わっていて、両方を読み比べてみるのも面白いかもしれない。キング自らの2つの「まえがき」を読み比べるだけで、プラス本一冊分くらいは楽しめるのである。


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コメント

今年はいろいろお世話になりました。来年もお互い「ガンスリンガー」ネタで盛り上がりましょう。それではよいお年を。

投稿: kingdow | 2005/12/30 08:46

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キング畢生の大作「暗黒の塔」シリーズが、角川から4巻の『魔道師の虹』まで出ていたのに、今回新潮から新たに、キング自身による加筆と新訳で第一巻から刊行が始まったことは皆さんご存知でしょう。そこで角川版で4巻まで読んでいた人にとっては、「加筆、新訳っていうけど、また買う必要あるの? 5巻待ちでもいいの?」と思われているのではないでしょうか。だからそのあたりについて少し書いてみます。 まず加筆についてですが、基本的には全体の整合性を図るというのが目的なので、物語自体が大きく変わっているということはあ... [続きを読む]

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