ハリーポッターと謎のプリンス:J.K.ローリング
英語版の刊行から約10ヶ月、ようやく日本語版が出版された。
その報道のされ方を見れば、大きなニュースになるのが喜ばしいことなのかどうか微妙なところではあるのだが、この作品が本当に好きな者にとってはやはり嬉しいことには違いない。
前巻の暗く鬱屈した時代を経たハリーは、やはりこの巻で大きな成長を遂げる。
愛する人を得、また愛する者を失うハリー。心から憎み、心から怒るハリー。
得意の絶頂にいたり、失意のどん底にいたり。切なくて、何処かユーモラスな恋愛模様。
ハリーの日々は若い人々にとっては親しみを感じるであろうし、昔若かったものにとってはどこか懐かしいような気もするのである。
衝撃的な事件でまたもや愛する者(愛してくれる者)を失ったハリーは、今度こそ自らの意思でその運命を選び取るのである。
7巻までの構想が出来上がっていて書かれたと言われている通り、その伏線の見事さには驚かされる。この巻までの物語すべてが7巻のための伏線と言ってもいいのだろう。
最終巻、完結編への期待は高まるばかりなのである。
蛇足1
子供の本の日本語訳として、よく練られていると思いますが、やはり英語版を読まれることをお勧めします。作者の言葉遊びがそこら中に出てきますし、何より詩情がある文章だと私は思います。この巻では特にフェニックスの歌のあたりが美しく、涙がこぼれそうになりました。
蛇足2
「混血」という言葉を避けてどうするつもりなのかと思っていたら「半純血」となってました。半分だったら既に純血じゃないじゃん。
でも苦心は買います。
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コメント
おお~やはり今回も面白そうですね(残念ながらまだ購入していません)。
個人的にはスネイプ先生が今後の鍵を握っているような気がします。スネイプ先生はハリーを嫌ってはいるかもしれないけれど、ハリーが思っているような人間ではないのでは?と思っています。どうなるのか、読むのが楽しみです。
投稿: taka | 2006/05/24 23:06
まさに、スネイプ先生が鍵なのです。
そして6巻読むと7巻が楽しみになりなりますよ。
投稿: じょえる | 2006/05/26 01:53