発狂した宇宙:フレドリック・ブラウン
SF雑誌の編集者キースは、月ロケットの墜落地点の真下にいて死亡したものと思われるが、ついに遺体は発見されなかった。彼は衝撃で別の次元の宇宙へと飛ばされてしまったのだった。似ているけれど全く別の世界で、彼は「敵のスパイ」として追われることになる...。
書かれたのが1949年である。多元宇宙もののほとんど原点と言えるのではないだろうか。(深く研究したわけではないので断言はできないが。)ほとんど完成形と言えるのは間違いないだろう。
主人公が災難に巻き込まれ、訳もわからず逃亡するという巻き込まれ型の冒険小説で、ストーリーも面白いし、多元宇宙がなぜ出来ているかという秘密もまた面白い。
私はキース・ローマーという作家が大好きなのだが、多元宇宙ものの作品をたくさん書いていて、中にはこの作品と共通する「唯我的宇宙論」がベースになっている作品もあり、ブラウンとの共通点を感じた。想像するにローマーもブラウンが好きだったのかと思う。
解説を筒井康隆が書いている。筒井先生もブラウンの長編で一番好きなのはこの「発狂した宇宙だそうだ。(筒井作品にも多元宇宙っぽいのありましたね、そういえば。)
ちなみに星新一は「火星人ゴーホーム」派なのだとか。
私はこの「発狂した宇宙」の方が好きです。
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