最後のウィネベーゴ:コニー・ウィリス
最後のウィネベーゴ
コニー・ウィリスはストーリーの作り方がとても上手。ばらばらのパズルのピースを最初に「えいやっ」とばら撒いて、訳もわからず拾い集めさせられているうちに、ふと気づくと一枚の絵ができているという感じ。そんなコニーの短編集です。
しかし翻訳物の「短編」は邦訳するとなぜか「中編」になってしまうので、どれも短編としては読み応えのある作品です。
『女王様でも』
医学や社会が進歩した未来に「女であること」は、少しは楽になるのでしょうか。
風刺も効いたコメディ風SF。
『タイムアウト』
人間の感情の中に潜む「時間旅行を発動させるくらいの強力なエネルギー」とは?
『スパイス・ポグロム』
人口過密の宇宙船「ソニー」の中はまるで日本。狭いアパートに観光客やら異星人やらが殺到して大騒動。ラブコメかな?
『最後のウィネベーゴ』
この表題作が一番好き。もしも地球が徐々に滅びて行くならば、人間は喪失感の中で日々を過ごさなくてはならないのです。一瞬にして地球が滅ぶなら、感じなくても済むはずなのに、そうはならないのです。失くすものばかりの人生はとても切ないものでしょう。
ちなみにウィネベーゴとはこういうキャンピングカー、というか動く家のような車のことだそうです。
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コメント
カテゴリに「佐野元春」を見つけて嬉しくなりました。その昔(17年前)、九州厚生年金会館での2列目で観ました。現在もパワフルなお姿。いいなあ。ちなみに波田陽区の実家は車で30分ちょいのところにあります。息子(小4)の同級生は自称金持ちで、ウィネベーゴに乗ってるよ。
投稿: あみーご | 2007/05/23 09:04
あみーごさん、こんにちは!
返事遅れてすみません。
元春大好きなんです。新アルバム出て嬉しいです。
カテゴリーってずっと残ってるのよね。これも整理できてなくてお恥ずかしいです。
日本にもウィネベーゴがあるんですねぇ。
ちなみこの小説のウィネベーゴは完全に「家」でした。他に住むとこがないの(笑)
投稿: じょえる | 2007/06/19 18:18